Home > 学会案内 > 理事長挨拶

学会案内

理事長挨拶

理事長

 日本胃癌学会は、胃癌に関する基礎的並びに臨床的研究の促進・発展を推進し、治療成績の向上を目的とする学術団体です。1961年に前身の胃癌研究会が発足し、1998年に日本胃癌学会に改称されました。理事長制となり、笹子三津留教授、今野弘之教授、小寺泰弘教授に続いて私が4代目の理事長を拝命しました。

 かつてわが国で最も多い癌であった胃癌に対して、先人の方々による研究会や学会でのデータの蓄積や真摯な討論の中から1962年に取扱い規約が、2001年に治療ガイドラインが他の癌腫に先駆けて出版され、世界の胃癌治療を主導して改定を重ねています。1998年に創刊された学会誌Gastric Cancer(International Gastric Cancer Associationと合同)はImpact factor 7.37 (2021-2022) と高い評価を受けています。全国胃癌登録は1963年外科手術症例のデータから開始され、2004年からは内視鏡切除症例も加わり、2011年症例からNational Clinical Databaseに実装されています。

 日本胃癌学会は4,500名の会員を擁し、基礎研究、病理診断、内視鏡、手術、化学療法と、胃癌に関わる全ての臨床・研究を包括し、最先端を追求しています。多様性のある胃癌の治療において、最適な治療を求めて、最新のエビデンスを発信して標準治療の確立に努めています。国内外の各分野の専門家が集い、胃癌について議論する総会は、知識と交流を深める場として発展してきました。Covid-19の蔓延や情報化社会の中で、より良い総会の在り方を探り、内容や形式について様々に試み、展開して参りたいと存じます。

 21世紀に入って20年が経ち、最近の胃癌治療は確実に進化しています。我が国の胃癌の過半数は早期に診断されて内視鏡切除によって治療され、適応も拡がっています。外科手術は開腹手術から腹腔鏡手術、ロボット手術へと手術アプローチが多様化し、根治性と安全性をデータ検証しながら治療の質を保っています。薬物療法は新規抗癌剤、分子標的薬、免疫チェックポイント阻害剤により治療成績が向上し、標準治療が次々と確立してきました。外科手術と薬物療法による集学的治療も様々に検証され、更なる治療成績の向上が期待されます。治療の専門性が高まる一方で、高齢化社会は続くものの、若年者のH. pylori感染率は低下して、わが国における胃癌の罹患数は減り始めています。施設認定制度も開始してその検証も進めて参りたいと存じます。

 患者さんとご家族、また一般市民の方々への情報発信、我が国とアジア、欧米諸国も含めた世界への情報発信、次世代の医療を担う若い世代への情報発信など、日本胃癌学会に求められる役割は大きく、多様性が増しています。時代の変化に応じた望ましい日本胃癌学会の在り方について、会員の皆様に御意見を頂戴しながら議論を進めて参りたいと存じます。ご指導、ご支援の程、宜しくお願い申し上げます。

2022年4月

日本胃癌学会理事長 掛地 吉弘

(神戸大学大学院医学研究科 外科学講座食道胃腸外科学分野 教授)


トップページ