Home > 学会案内 > 理事長挨拶

学会案内

理事長挨拶

理事長

 会員の皆様、このたびは日本胃癌学会の理事長を拝命し、大変光栄であると同時に、強いプレッシャーを感じております。日本胃癌学会は理事長制になってからまだ日が浅く、笹子三津留教授、今野弘之教授に続いて私が3代目の理事長となります。

 一方、わが国の胃癌の研究、診断、そして治療の歴史は長く、世界に冠たる輝かしいものです。久留勝先生が当番世話人として1961年にBusiness meetingを開催されてから始まった前身の胃癌研究会、そして丸山圭一先生が1998年に初代会長を務められた現在の日本胃癌学会を通じて、その伝統は脈々と息づいております。研究会や学会でのデータの蓄積や真摯な討論の中から取扱い規約とガイドラインが他の分野に先駆けて生み出され、これらは立派に改定を重ねて現在に至っております。また、1998年に創刊された学会誌Gastric Cancer(International Gastric Cancer Associationと合同)は創刊当初の苦労を乗り越え、今やImpact factor 5.454とわが国の学会誌としてはトップレベルの評価を受けております。

 日本胃癌学会は4,500名の会員を擁し、基礎研究、病理診断、内視鏡、手術、化学療法と、胃癌に関わる全ての臨床・研究を包括する内容を誇る学会です。各々の分野で世界的に活躍されている専門家が海外の一流の研究者・臨床医と共に一堂に会する総会は、胃癌を勉強するにはまたとない学習と交流の場となっております。一方、胃癌は消化器系の他の学会でも大きく扱われておりますし、専門医制度もないことから、入らなくても困らない学会と思われかねない側面もあり、今後の学会としての方向性については、理事会の中でも様々な議論がなされています。

 わが国における胃癌の罹患数は減り始めております。その一方で、各分野で英知を集めて治療法を開発した結果として、そのステージ別の治療法は多岐にわたり、治療アルゴリズムも年々複雑さを増しております。外科的手技ひとつをとっても、かつてはあらゆる消化器がん手術の基本とされてきた胃癌手術ですが、次第に専門性の高い術式になってまいりました。こうした中で、世界のトップレベルに位置付けられつつ進化を続けるわが国の胃癌の診療がさらなる高みを目指すのであれば、総会で日本人の会員が日本語で詳細な議論をおこなう機会を担保しなければなりません。その上で、真に意義があり世界に広めるべき研究成果は、速やかにわが国のオリジナルとして海外に向けて発信しなければなりません。韓国が世界の胃癌診療において高いプレゼンスを見せ始めて久しい中、日本胃癌学会にはこれまで以上にアジアへ、そして世界へ積極的に情報発信をすることも求められています。

 日本胃癌学会の将来像を打ち出すにはしっかり検討すべき課題が数多くあり、そのもっともふさわしい「あり方」を追求するには多くの会員の皆様の御意見に耳を傾けつつ、理事会でしっかりと議論を進める必要があります。微力ながら新理事長として、先輩諸氏、そして理事の先生方の御指導を仰ぎ、かつ会員の皆様の忌憚ないご意見、ご指導、ご鞭撻をいただきながら、これから日本胃癌学会が進むべき道を真摯に考えていきたいと考えております。

 会員の皆様、何卒よろしくお願いいたします。

2018年4月9日

日本胃癌学会理事長 小寺 泰弘

(名古屋大学大学院医学系研究科 消化器外科学 教授)


トップページ