Ⅱ章 治療法


治療法の種類と適応

日常診療で推奨される治療法選択のアルゴリズム

日常診療で推奨される治療法選択のアルゴリズム
図 1 日常診療で推奨される治療法選択のアルゴリズム
ただし,T/N/M および Stage の定義は,胃癌取扱い規約第14版による。

胃癌取扱い規約第 14 版の T,N,M,Stage の抜粋

N1:
領域リンパ節(No.1~12,14v)の転移個数が1~2個,N2:3~6個,N3: 7個以上
M1:
領域リンパ節以外の転移がある(CY1も含む)
Stage:
表 1 参照

表 1 進行度分類(Stage)
表1 進行度分類(Stage)


日常診療で推奨される進行度別治療法の適応

図 2 日常診療で推奨される進行度別治療法の適応
図2 日常診療で推奨される進行度別治療法の適応
N:転移個数をカウントする領域リンパ節は,No.1~12,14v であり,それ以外のリンパ節転移は M1 とする。

この表に示す適応は,病理学的進行度の治療成績データをもとに作成されたものであり,治療前または手術中の所見に基づくものではない。臨床所見に応じた治療法の適応は,ⅡA-1のアルゴリズムを参照されたい。
本版では,第2版まで示されていた「臨床研究としての進行度別治療法の適応」の一覧表は廃止した。臨床研究としての種々の治療法は別章に列挙して解説を加えた〔ⅢA参照〕。


臨床研究としての治療法〔ⅢA参照〕

以下の治療法は,日常診療として推奨されるには至っていないものの,有望な治療法として期待されており,臨床研究として前向きデータ集積が行われることが望ましい。これらの治療を行う場合は,あらかじめ患者にその理由を説明し,十分な理解を得たのち同意を得ることが望ましい。

早期胃癌に対する ESD(拡大適応)
腹腔鏡下胃切除術
胃局所切除術
術前補助化学療法
S-1 以外の術後補助化学療法
術前化学放射線療法
術後化学放射線療法
減量手術