2025年2月26日

高額療養費制度の負担上限額引き上げに関する声明

日本胃癌学会理事長　掛地　吉弘

　現在、国会において、公的保険制度の維持と保険料の負担軽減などを目的として、高額療養費制度の負担上限引き上げが検討されています。全国がん患者団体連合会、日本難病・疾病団体協議会からの引き上げ反対の訴えにより、政府修正案（多数回該当据え置き）が示され、長期療養の患者負担（多数回該当に当たる患者）は軽減されました。しかしながら依然として今回の政府案では引き上げ幅が大きく、がん患者にとって過重な経済的負担が生じ、がん治療の実施に大きな影響が生じることが憂慮されます。今回の引き上げが政府修正案の通り実施されますと、今まで実施できていたがん薬物療法などが、患者さんの経済的な理由により実施できなくなる可能性があります。高額療養費制度の見直しに関しては、わが国における医療制度ならびに社会保障制度全体を見直す抜本的な議論の中で、再検討されるべきものであると考えます。
　政府案の見直しやがん患者の経済的負担の軽減に向けた検討が成されますよう、ここに声明を公開します。